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Last UP Date: 2005年5月31日

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月刊プチ通信 2005年6月号

発表の場の多様性

アトリエ、オルタナティブスペース化

オルタナティブスペースと言う言葉を聞いた事があるだろうか? 美術館や画廊、ギャラリーなどの商業スペースとは異なるこの展示空間は1960年代後半にニューヨークで生まれたとされている。 元々は作家側が従来の造形芸術に収まらない新しい形態の表現を求めて生まれた空間である。

銀座や表参道、原宿、青山などには300以上ものギャラリーや画廊が点在するが、どこも若手の作家が一人で賃貸するには金額的に高すぎるのが現状である。

そこで今回は4月にアトリエ開校記念として展示会をアトリエで開催した。これはアトリエが展示空間としてオルタナティブ(代わりうる場所)になるかどうかの実験と、 芸術美術の理解を地域に根付かせたいとの思いからである。

アトリエ写真1 左の写真はアトリエである。千葉県の片田舎、一軒家の駐車場を改装したアトリエで入り口には元々シャッターが取り付けてあったハリが残っている。 決して立地条件的にも空間的にも良いとはいえない場所ではあるが、多くの友人知人に参加してもらった。

画家が4名、哲学家1名、写真家1名、ガラス作家1名、そして私の7名で行ったのだが、場所が場所だけに小作品が中心となった。

集客数を結果と言えるかどうかは解らないが、展示する場所に求められるものの内、最も重要な要素の一つは集客数であろうから、まず集客数の結果から。
会期は4月15,16,17日の3日間。時間は13時から17時の4時間であったが、3日間で26名来ていただいた。

この数が多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれだろうが、例えば2月に銀座で参加したグループ展には6日間(1日8時間)で63名の来場だった。1日平均10名程度である。

アトリエ写真2 しかもその中に“通りがかり”は恐らく一人もいない。

それと比べると、DM告知も無く、今回は実験と言うこともあったので友人知人にもほとんど知らせていない状態で26名は多いと言える。ほとんどが通りがかりで26名集客したのである。

個人情報に関して敏感になっているのか芳名帳に足跡を残してくれたのは半分ほどだったが、それでもこの人数は私の予想を大きく超えるものだった。

そして驚くべきは遠くからの来場者もいたことである。なんと初日のオープン時間まもなく、霞ヶ関から仕事中の休み時間を利用して来ていただいた方がいたのである。

この立地条件で下り方面からともかく、上り方面から来る方がいたことには正直驚いた。この方は、今回参加してもらった作家が公開しているブログ(Blog)を見て知ったとの事だった。

アトリエ写真3このことはアトリエをオルタナティブスペースとして使用することの可能性を示唆している。

そして何よりも、今回の来場者の方々の内多くの方が作品に触れて喜んでいただいたり、楽しんでいただけたことである。当然今回の来場者はほとんどが通りすがりなので、 この場所でなければ作品と触れる事は無かった人たちばかりである。

と言う事は普段自分からアートに触れる機会を積極的に求めることはしなくても、アートに触れることは楽しいと感じる人はまだまだ存在するのである。

今日本は芸術、美術危機である。メディアの力が圧倒的な日本においてアートやアーティストに対する知識は乏しく、アーティストと言うと過剰評価する部分もあれば、白い目で見る部分もある。

これは芸術や美術、アーティストが多くの人の日常に存在していない結果ではないだろうか?

ヨーロッパなどでは学生の卒業制作展に多くの人が訪れ、作品が売れても行く。

住宅事情などのことから、作品を購入しても飾れない日本において作品の売買が活性化しないのは仕方がない事かもしれない。しかし、 日本には素敵な文化がまだあると言うのに。そして日本の浮世絵などの絵画の文化も世界に誇れるものであると言うのに。 中学校からの美術の選択授業化や視覚的、現象的事象を最優先する現在の文化を続けて素敵な文化を無くしかけている。

この日本の芸術美術の重要課題を少しでも解消すべく、今回のようなアトリエ-オルタナティブスペース化をこれからも定期的に行いたいと思う。

プチ通信イメージ
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