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Last UP Date: 2008年6月30日

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月刊プチ通信 2008年7月号

個展“ART≠美術展”の報告

〜≒初個展を終えて〜

今回個展をしました。
大学卒業後としては初の個展だったので、作家として歩み始めて初めての個展“≒初個展(ほとんど初個展)”と言って良いでしょう。
僕は今までグループ展を中心に行ってきました。 そこには理由があって“作家同士コミュニケーションを取る事で、作品についての考察ができる”とか“一人では呼び切れ無い入場客になる”とか“個展をしたと言うほどのギャラリーとまだお付き合いができてない”とか・・。

ただし、今までのグループ展を通して感じていたのは、知り合いばかりが来て終わっていくと言う事です。 もちろんプレスリリースを掛けていますし、DMも800枚(ギャラリー400、作家400)くらいは常に出しています。 もちろん僕も若い作家ですので、漏れなく貧乏な訳です。 知り合いに見てもらうための発表会を何十万も掛けて開催する余裕はありません。
そこで、リサーチをしてみたんですね。 どうすれば評論家やギュラリーのオーナー、或いはコレクターなどの美術関係者に来てもらえるような展覧会になるのかと言う事を。
そうすると、僕レベル(概ね美術界ピラミッドの底辺でしょうか・・・)の間では“個展なら来てくれる事はあるが、グループ展はまず難しい”と言う事でした。 僕にはイマイチ理解できなかったんですね。 別にグループ展とは言え、作品は変わらない訳ですし、美術関係者であれば周りの作品に影響される事無く、個々の作品を個別に評価できる筈だからです。 しかし、その反対意見として“個展はその作家の遍歴や、ある程度長い期間の作品を通してみる事ができる、よって今後の傾向なども読みやすい。”そして“作家の色が個展ならばハッキリと出る”と言うものでした。

まぁ、僕の場合、そこで考えてる暇は無かったわけですね。 直ぐに会場探しを始め、以前から気になっていたギャラリーを回って、空間を下見して決めました。 まぁ、結果から行くと、作品は完売して、何だか次への期待が持てる結果で終えました。
でも逆に言うと、期待は持てるんですが、具体的な話は何も出てないんですね。 しかも、作品の価格も滅茶苦茶安いんで、経費を引いたりするとあまり手元に残らない。 ましてや作家として自立しようと考えると途方も無い事になるんです。

考えても見てください。
確か去年のサラリーマンの平均年収は社員50人未満の中小企業の正規社員で270〜280万らしいです。 しかも社員50人未満の中小企業で働いてる人口は、全労働者数の7〜8割に上るらしいです。 朝生でやってたので正しい数字でしょう。
これは平均らしいですが、300万未満は低所得者層といわれますよね? って事は、僕の場合、1ヶ月掛けて制作した作品は30万くらいで売らなきゃ話にならない訳です。 もちろんそれでも経費などを引いてしまえば低所得者層なんですね。

この際、“アートとお金を結びつけるのは汚い”とか“作家を目指した以上は貧乏は覚悟しろ”と言う意見は排除します。 それは日本固有の根性論という事に僕の中ではなっていて、作家だから貧乏でしょうがないと言う酷い話はありません。
親の代からの八百屋を引き継いで、近くにイオンができても何とか昔の勢いを取り戻そうと貧乏に絶えて頑張る2代目の八百屋は美談になりがちですが、作家は貧乏でもしょうがないと言うのは無いでしょう? まぁその辺はいずれの機会にしたいと思いますが・・・。
そこで、滅多に本を読まないんですが、読んでみました。 アート界の本や、作家の意見が反映されている本など。 特にギャラリストの書いた物等は、アートマーケットの仕組みを理解していない僕には新鮮でした。 興味のある人は書店で調べれば、最近はアートの書籍も容易に見つけられます。

結局のところ、今回の結果は、つい数ヶ月前の僕からは想像もしていないほど喜ばしい結果ですが、作家として自立していく為には手放しで喜んでも居られない見たいです。 とりあえず完売(特に今回のような値段設定においての完売)は1つの通過点でしかないんですね。 適正な価格(僕が納得できる価格)での売買を目指したり、認められたい対象に認められていくと言うのは途方も無い事のようです。

今の僕の状態はまさに“カヌーで川下りをしていたら、そのまま大海原に出てしまった”と言うような状態なんです。 今回の文章も何だかまとまりが無いものになったのは、僕の頭も整理できてなくて、僕自身迷子状態だからなんですね。 でも、止まってるよりは動いてたほうが、何かが起こる可能性もあるでしょうから、右往左往、前進後退しながら大海原をしばし漂おうと思います。

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