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Last UP Date: 2007年3月1日

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月刊プチ通信 2007年3月号

女性解放運動と芸術文化のこれまでとこれから

〜インビジブルな共通の問題〜

先日テレビ朝日系列での“朝まで生テレビ”を見ていた。
主題は女性の社会進出に関する事であったが、この事と芸術文化との同一性を感じてしまった。

今でこそ、女性のパイロットや新幹線の運転手なども誕生しているが、これに至までには女性の激しいまでの訴えがあったようだ。 僕などが生まれる前の話だが、1970年代初頭にはウーマンリブ運動が先進国で起こり、女性自身が女性解放運動を行った。
日本などでは全共闘運動がきっかけとされている。
街頭デモに繰り出すのが男子学生で、女学生はキャンパス内などで食事作りなどに従事させられていた事などから“女性は男性の奴隷とは違う!!”と言う主張が生まれたようだ。
全共闘運動が1960年代後半で、概ね半世紀経つ今でも、女性の社会的地位は平等とは言えない。

事実、男女雇用機会均等によって、募集要項内での男女差別は無くなったし、看護士、保育士や、パイロット、新幹線運転手のように、 それまで分業されていたような職種に新たな風穴が開いては来ているが、報道関係のトップに女性は居ないとか、職場によっては妊娠すると退職か中絶を迫られる事もあるようだ。
僕などは最近就職活動と言うものを経験したが、4年制大学卒業の女性は未だに就職はしにくいようだった。 (僕が就職活動をしたのがちょうど就職難だった事もあるかも知れないが)

正直なところ、僕の周りには女性という立場から世の中に不満を抱いてる人物が居ないため、どの程度の不満や不自由さを抱えているのか判らない。 しかし、多くの働く女性(働きたい女性)が不満を持っていることは確かなようだ。

これと比較して、芸術などはどうであろうか。
芸術家が世の中に対して何か運動を起こしたと言うのは僕の知識には無い。 しかし、少なからず僕の実感としてバブル崩壊後、2000年前後に、東武美術館、セゾン美術館、川口現代美術館が閉館し、 “企業メセナ”などの言葉を聞かなくなった辺りから、作家たちの不満や芸術文化の危機を書籍上などで見にするようになったと感じる。

僕の実感としても、フィリップモリスアートアワードやキリンアートアワードが無くなった事で、立体造形作家の応募できる現代美術の公募展が少なくて困っている。
僕がこうして毎月誰が読んでるかも判らない記事を書き続けることも、一応“芸術を少しでも理解してもらいたい” とか、“日本の芸術文化の現状を知って欲しい”と言う思いからである。

僕のように自分の作品発表以外の地味で地道な活動として、芸術を広めるような活動をしている作家は他にも居る。 しかし、全く改善されないのが現状で、ここが朝まで生テレビを見ながらダブったのである。
芸術家の場合(特に日本の芸術家)は引き篭もり系が多いので、ウーマンリブのような活動に発展する事はないだろう。 となれば半世紀後の日本の芸術界はもっと疲弊していそうだ・・・。

日本の男性に“女性の社会進出について賛成か”と聞くと大半がYESと答えるのに対して、 “女性には家に居て家事育児をして欲しいか”と言う問いにも半数以上がYESと答えるパラドクスがこの問題の急速な進歩を遅らせる原因ではないか。
恐らく“絵画や造形作品が音楽のように自由に売買できる世の中を歓迎するか”と聞かれれば、多くの人がYESと答えるのではないだろうか。 しかし実際、数万円、数千円の作品も全く取引されない現実がある。

この問題は、戦後の芸術文化の発展とか、美術教育とか、日本家屋の物理的な問題とは違った、もっと根深い問題がありそうだ。 勿論、美術作品の取引が盛んな国などは、作品を購入する事でその購入額が税金の控除になると言う形で、自国の芸術文化の促進を促していたりするのに対し、 日本は逆に固定資産税の対象になって、むしろ税金的には「買ったもの負け」と言うか、家や車を維持する感覚と似ていると言うシステムの問題もあるだろう。

となれば生きて行くために必要でないものを税金払って所持する奇特な人もなかなか現れないハズだ。

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