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Last UP Date: 2006年6月30日

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月刊プチ通信 2006年7月号

障害児と表現2

障害者とその作品に触れて

“ギャーッ!!”

僕はその日、ある祝い事の為にケーキを買いに施設の方向へ向かった。その帰りに施設に寄ろうとしたのだが、門を入ろうとしたその時に叫び声とも悲鳴とも取れる声が聞こえた。
その声で僕の足が止まった。「こんな気軽な気持ちで来るところじゃない。」正直そう思って、自然と足は自宅の方に。

自宅に向かいながら、“軽い気持ちで行くところじゃない”と思う事自体が壁を作っているのだろうか?むしろ気軽に行くべきか? しかし、気軽で無い気持ちを隠して気軽を装うのも失礼ではないか・・・。などなど、複雑な心境であった。

そしてしばらくして、今度は月に1度の絵画サークルと言うのに招かれた。
これは人数も少ないと言う事で、今度は意を決して?覚悟を決めて??(上手く言えないが、やはり軽い気分では行けなかった。) 施設に向かった。
その時は、僕は専門ではないので詳しくは判らないが、大人で軽い障害の方が1名、大人で重い障害の方が1名、自閉症の子どもが1名の計3名が平面作品を制作中だった。

まず、僕の想像が違っていた点として、障害者の方と言うのは、どの程度コミュニケーション能力があるのかと不安だったが、これは直ぐに取り除けた。 みんなちゃんと制作意図を持っているし、アドヴァイスや世間話もできる。気を使ってくれて、僕と言うお客さんに対して飲み物を出そうとする。
ただ、自閉症の子どもに関してはコミュニケーションは難しかったが、黙々と紙に向かう背中は、まるで職人のよう。 何を考えているか、何を意図している作品なのかは判らないが、本人の中で相当の拘りがありそうなその制作姿勢や作品はとても驚きだった。

そして、人によっては大胆な構図と配色で僕の目を奪ったり、または感心するほどの繊細な線の組み合わせで作品を構成したり、または、一筆書きで驚くほど魅力的な造形物を生み出したり。 その作品自体にも驚かされた。

そこにはきっと、僕らなどがいろんな意味で組み込んでしまう“狙い”が存在しない分、純粋で真っ直ぐな表現があったのだと思う。
そして彼らは人間としても純粋だ。
それ故、言いたい事は何でも言う。時にはドキッとするほど失礼な事も発言するが、それもまた僕らで言う“いやらしさ”が存在しない為か、とてもカラッとしている。

その時障害者の方と触れ合った時間は1時間程度だが、障害者や障害児の実態を体験を通して知る事ができて本当に良かった。
僕の中の不安や、勝手な想像で作り上げた障害者像を払拭する事ができた。
しかし、僕はその日の帰り道、こんな事を考えた。

障害者と言うのは、ホントに純粋で心優しい真っ直ぐな人が多い。基準値を設定するのが難しいが、心は綺麗なほうだと思う。
しかし僕は結局、計算高くて、下心や腹黒さも持ち合わせて、それを外見で飾って隠す。そんな女性に惹かれるんだ。

そんな自分の中の説明の付かない矛盾が脳裏を支配していた。

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